書店員のよしなしごと

読んだ本についてぼちぼち紹介いたします。

ミステリ愛に満ちた傑作。「カササギ殺人事件」

 カササギ殺人事件、読みました。

 今年の年末の、このミスをはじめとした各ランキングはこれで決まりなのでは、という気が今のところしています。

 発売前から話題になっているので、気になっている方も多いのではないでしょうか。

 そういう方はきっと後悔しないと思いますので、すぐにでもゲットしていただきたいです。

 

 さて、この「カササギ殺人事件」というのは、作中に登場する「名探偵アティカス・ピュント」シリーズなる架空のシリーズの最新作のタイトルでもあります。

 これが本当にクリスティの時代に書かれたクラシックなのではないかと思えるようなステキなミステリで、これだけでも個人的には垂涎モノなのですが、それにとどまらず、その作中作「カササギ殺人事件」の担当編集者である「わたし」の視点で、作品を巡る、ある出来事が描かれていきます。

 

 この入れ子構造になった二つの物語が同時に楽しめる、というだけで上下巻二冊分の価値は十二分にるというものです。

 上巻を読み始めてしまえば、早晩下巻を買いにダッシュすることになるのは必定と思われますので、ぜひ上下巻まとめてお買い上げの上、腰を据えてお読みになっていただきたいと思います。

 

BOOK INFO

カササギ殺人事件 上・下」

著者:アンソニーホロヴィッツ

出版社:東京創元社

ISBN

上:9784488265076

下:9784488265083